外装の状態がとても綺麗な993の入庫です。


外側はピカピカなんですが内側に問題があります。
空冷ポルシェの特に993や964によくある症状ですが、ドアを開け閉めするたびにパキンッと嫌な音が鳴る現象。
ドアチェック取付部分の強度不足からくる故障です。

ドアを開けたこの部分です。ドアチェックのピンを差し込むブラケット部分の溶接がドア開閉に伴う経年劣化で取れてしまうんです。特にドアをめいっぱい開けた時にここに負担がかかるので何度も繰り返すうちに溶接が負けてしまいます。開閉回数の多い運転席側は特にです。
993や964はこの部分が元から弱いのであるあるです。ピラー側ではなくドア側が裂けてしまうパターンもあります。

貼ってあったアルミテープを剥がしてみると、
なるほど。開け閉めするたびにここが動いてしまうからアルミの棒か何かを噛ませて動かないように応急処置していたんですね。
本来この飛び出ている部分は動いてはいけないものです。

裏側も溶接が裂けてしまっています。

修理方法としては外れてしまったブラケットの溶接を内側からやり直して補強するのですが、ピラーは完全に袋になっているので外からでは根本を修理できません。なのでピラーの赤線で示した部分を一度切開して内部を溶接してまた戻すといった流れです。
車のことを考えれば切開などはしたくないのですが、残念ながら一度こうなってしまうと他に方法はありません。



ということでピラーをカットしました。中はこういう構造になっています。
溶接のビード部分が前後とも裂けています。後側は溶接が完全に外れてブラケットが浮いていて、前側はかろうじて繋がっている状態です。

外れたブラケットを中から溶接し直したので、次は切開したピラーに溶接して戻します。
溶接の火花がもし車体に飛んだら塗膜はもちろんガラスでも熱で溶けて跡が残ってしまうので養生は念入りにします。




溶接後パテで表面を整えたらサフェーサー(下地塗料)を吹き、乾燥後サフェーサーを研いで塗装です。


そうこうしてピラー部分の修理は完了です!
もちろんドア開閉の度に鳴っていたパキンッという音もなくなりました。
溶接し直して補強したとはいえ、構造上弱いのは変わらないのでドアを全開まで勢いよく開けるのは避けたほうがいいです。
普通に開閉するのは問題ありませんが、パカーンっと勢いをつけて開けるとドア側とピラーのドアチェック部分にかなり負担がかかるので。
今回のような事例は定番ですので空冷ポルシェ乗りの方はお気をつけ下さいませ。ドアは優しく開けてあげるのがいいですよ~。


続いてエンジンフードの換装作業です。
現在の大型ウイングが付いているものから電動スポイラーのフラットなフードに交換です。
写真を撮っていなかったのでいきなり完成です!
別色だった中古パーツを修理・塗装して取り付けました。


今回のドアチェック部故障のように車が古くなってくれば車種それぞれの持病のようなものが出てきますが、修理すればその後も愛車と長く付き合っていくことができます。 何か気になる症状でお悩みの時はぜひ一度ご相談下さい!

