一宮から入庫のマツダアクセラのフロントエアロバンパー修理のご依頼です。社外のFRP製エアロバンパーで割れが多数あります。赤と黒に塗り分けとかなり手間と時間のかかる作業となります。

前面にすごい数の飛び石傷。白いぶつぶつに見えるのはすべて飛び石による塗装のハゲです。

色が剥がれて白くなっているので、かなり目立ちますね。

そして飛び石よりも大変なのがエアロの亀裂や割れです。

写真ではよく映りませんが肉眼だとあちこちに亀裂や割れがあるのがわかります。
エアロパーツはFRP製のものが多いですが、衝撃に弱いFRPの性質上亀裂や割れは付き物です。このバンパーの様に大きなエアロは重さもそれなりに有るので、取付部分に大きな負担がかかります。

亀裂の上からパテを付けて早く仕上げることもできますが、それだと時間が経ってからまた亀裂が浮き出てきてしまう可能性が高いです。
それでは意味がないので、亀裂や割れの箇所はすべて一度削ってからグラスファイバーを貼って基礎から修理していきます。
時間はかかりますが、修理後のキレイな状態を長く維持するためです。時間効率よりも確実な仕上がりを選びます。

旧塗膜の状態も乾燥しきってなく、少し膿んでる様な状態でした。溶剤分が残った状態でクリアーで蓋をしてしまったのでしょう。後のトラブル回避のため旧塗膜はすべて剥離します。

剥離して分かったのですが、サーフェーサーを塗らずにFRPのゲルコートに直接色を塗装してありました。飛び石傷が酷かったのもそれが理由かもしれません。

FRP製品は下地への適切な処理が求められますので手を抜くと後々高くついてしまうかもしれません。

細かな入り組んだ所はコツコツ手作業で塗膜を剥がしていきます。

FRPの修理で大切な事はひび割れたところをチマチマと表面だけを削るんじゃなくて大胆に深く削ってFRPのマットを貼った方が後々に気泡が出てきたりといったトラブルを減らせます。

ファイバー成形後にパテで最終的な形を整え、全体にサフェーサーを入れます。


途中の画像がありませんがその部分が一番大変でした。アピールするのが下手なんです 笑

乾燥後サフェーサーを研磨して、まずは赤で全体を塗装してクリアーまで仕上げます。
2色を二回マスキングして仕上げることも出来ますが、リスクもあるのでYKBでは2回に分けて塗装します。
安全第一です!
先ずは赤色を塗りその後にクリアーを塗ります。

乾燥後に黒色を密着させる為の足付けを、バンパー全体に#1500番で研磨して塗り分けのマスキングをして、その後黒の塗装です。

1500番で足付け研磨した状態です。

赤と黒の境目のラインがガタガタだとカッコ悪いので際のマスキングには特に気を使います!

地味な作業ですが結構時間がかかります。

下はマスキングペーパーを剥がした直後の状態。マスキングを剥がすのにも気を使います。
手の脂がつかぬよう触れないように、剥がしたテープの糊が残っていないかよく確認もして、この後クリアーを全体に塗ったら塗装完了です。

クリア塗装が終わった状態。この塗り方だと色際の段差も少なく済みます。赤で塗装した箇所はクリアーを2回吹いた(ダブルクリアー)事になるので色の深みも出ています。
赤色を塗った後に全体を足つけ研磨したのはこの為です。

FRP製品でなおかつダブルクリアーの箇所もあるので低温で時間をかけて乾燥させます。

乾燥後に組付けて磨いたら完成です!

ピカ~

うっ、美しい!!

ボディーは大変綺麗なお車でしたので余計にバンパーのヤレが気になっていたオーナー様も大変喜んでくださいました!
こんなにキレイになっちゃうともう飛ばせなくなりますよ! 

時間はかかりましたが、その分良い仕上がりになりました。

YKBでは色々なオーダーに、専属シェフならぬ専属職人(笑)のつもりでお手伝いさせていただきたいと思います。
販売が終了してしまった古いエアロバンパーなどもご相談ください!極力再生させていただきます。