一宮市より入庫のデミオ。
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フロントドアに大きな凹み。フェンダーやミラーカバーにも擦り傷があります。
ドア凹みの範囲は大きくはないですが凹みが酷いので、今回ドアは交換します。
ドア交換するにあたり前後のパネルはぼかすので塗装するのはパネル3枚です。
ミラーカバーは色付き新品に交換です。
作業自体は鈑金もありませんし難しくありませんが今回気をつけなければいけないのが、この色です!
普通の2コートメタリックレッドではありません。キャンディレッドです。
今ではマツダ以外の各国産メーカーもキャンディカラーの市販車採用が増えてきましたが、マツダは早くから市販車にキャンディを採用していたイメージがあります。
どちらかといえばカスタムペイントに分類される塗装ですね。作業する側としては量産車に採用しないでほしいです 笑
独特の鮮やかさは目を引くものがありますが、具体的に何が普通の赤と違うのかといいますと...
通常の赤メタはメタリック顔料に赤の顔料が沢山混ざったものを塗装し、クリアで仕上げます。
対してキャンディレッドはメタリック顔料に少量の赤、もしくは赤が入っていないメタリックを塗装後、透明の樹脂にごく少量の赤が入ったもの(カラークリア)を塗装して最後にトップコートのクリアで仕上げます。つまり下のメタリックが透けているんです。
太陽光や照明が当たるとカラークリアの赤を光が通過し、下のメタリックに当たりキラキラ光ることによって名前のとおり飴のような透明感のある鮮やかな発色になります。
このカラークリアの塗装がすごく難しいんです!塗装屋泣かせのキャンディです。
がんばります!
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交換する新品ドアは取り付けて塗装するので、塗れなくなる裏はしっかりと仕上げておきます。
こちらが下色です。全然色が違いますよね!
この上にカラークリアが何層も重なって鮮やかな赤になっているんです。
こちらの色は下色にも若干赤が入っているのでピンクっぽいシルバーですが、色によっては下色が純粋なシルバーでカラークリアだけで赤くなっているキャンディレッドもあります。ただでさえ難しいキャンディですが、そうなると難易度も跳ね上がります。
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下色を塗装した後、カラークリアを1回かけた状態です。
ここから本当に分からなくなるのか?って感じですよね。
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カラークリアを2回かけた状態です。
1回目より分からなくなりましたね。回数を重ねて分からないようにしていきます。
回数はもちろん重ね具合にも気をつけます。重ねが甘いとカラークリアがムラになったり帯を引いてシマシマになってしまいます。
そうなったら基本的に取返しがつきません。それを消そうとカラークリアを何回もかけていると色自体が濃くなってしまいます。
前述したようにキャンディカラーは下の色が透けて出来ている色なので、カラークリアをかければかけるほど下に光が通らなくなりキャンディ独特の透明感が無くなり黒々としていきます。逆にかかりが少なすぎると下のメタリックが透けすぎて鮮やかな赤になりません。
ぼかした部分を超えてカラークリアをかけないようにも気をつけます。既にカラークリアがしっかりかかっている新車時の塗装部分にさらにかけてしまうと当然そこだけ濃くなります。ぼかした両端部分だけ黒々としてしまうありがちな失敗パターンです。
一度濃くなりすぎたら取返しがつかないので気をつけます。気をつける事だらけです!
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3回目です。かける度に変化するので1回かけるごとに調色時に色合わせしたカードと合わせて見比べます。このカードが1つの道しるべです。
調色でボディに色は合わせてありますが、本番でその色が再現できないと調色した意味がありません。とくにキャンディは塗り方で変わってしまいます。
調色時はカラークリア4回で合わせていたとしても本番は6回がバッチリってこともあります。調色用の小さいカードを塗るのと車の大きなパネルでは差が生まれがちなので毎回確認していきます。
今回は6回で合わせてあります。
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4回目です。
まだオレンジっぽいです。
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5回目です。
1回目が嘘のように自然になってきました。変化がおもしろいですね!
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6回目です。
良さそうに見えますがカードと比べるとあと1回といった感じです。
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7回目です。
良さそうです!端にツヤが出ているのはカラークリアをかけてしまったのではなく、見やすく確認するためにアンダークリアを薄く1回かけました。
しっかり乾燥させた後トップコートのクリアを塗れば塗装完了です。
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完成です!
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日の当たる場所で撮れば良かったですね。見づらくてすみません。
晴天の下だと特に鮮やかに発色してとても綺麗でした!
難易度の高いキャンディですが1回で綺麗に仕上げられてよかったです!