全塗装で930ターボの入庫です。




今回の全塗装は現在の同色、フロントガラス・リアガラスも取り外し、外側+ドア裏や開口部などの内側も塗装します。アウターハンドルやサッシュのマットブラック部分も塗装します。
加えてホイール4本も専門業者さんで修理・再塗装し各部ゴム類やモール、小パーツは新品に交換。運転席ドアの建付け不良を調整、最後にガラスコーティング施工といった依頼内容になります。
ほぼフルパッケージといった内容ですが今回まとめてリフレッシュしちゃおうという事でしょうね。
長い闘いになりそうです。



空冷ポルシェは大事にされている個体が多い車なのでこちらも全体的に大きな凹みやグサグサに錆びて腐っているなどのダメージはありません。とはいえ年式相応の劣化が全体に見られ状態はあまり良いとは言えません。あちこちに過去に修理された形跡が見て取れます。
左ヘッドランプ外周にはコーキングを追い打ちしてベゼルとフェンダーを貼り付けてあります。
ガタガタにはみ出しているので不格好です。そもそもパッキンがあるので本来コーキングをする場所ではありません。



右フロントフェンダーには過去に貼られていたステッカーをマスキングして塗装したような跡があり、謎にルーフにもマスキング跡のようなものがあります。
ドアにはパテ痩せ跡。ドアミラーやハンドルは外さずフルマスキングで塗装した形跡があります。




要望のあった左ドアの建て付け。正常な右ドアに比べて高さも合っておらず面の段差もすごいです。
自然にこうはならないので過去に何かしたのは間違いありません。各ポイントを見るとドアが交換してありそうな気がします。


フロントフェンダーとの隙間も広すぎます。

やはりヒンジに触った形跡があります。ドア取付のピンにも色がかかっているので修理してありますね。
他は各部にお約束の飛び石、エクボ、小傷といった状態です。
大きなダメージは無いものの残念ポイントが多々ある930ターボですが、良い仕上がりを目指して頑張ります!

右クォーターにパテ跡が浮き出ていたので修正していきます。911のクォーターは難しい!
形状自体はプレスラインや深い彫りが入っていたりする現代の車に比べれば複雑ではないのですが、なんともいえない難しさがあります。
911のデザインの最重要ポイントでもありますからね。1度サフを入れてからも納得がいかず微修正して再度サフを入れました。


他部分も進めていきます。










フロントフード前部の形状に違和感があったので研いでみるとやはりパテが入っていました。
必要以上に盛りすぎだったので研ぎ落としていきます。





そうこうしてやっと準備が完了したのでいざ塗装です!




カラーベースが完了。しばらく自然乾燥させ塗料の中の溶剤を揮発させます。





仕上げのクリア塗装が完了。肌感や映り込みも自然でおかしな歪みが無くいい感じだと思います。




ボディの塗装が完了したので次はパーツ類の塗装です。











ツヤ消し黒の部分も塗装。塗り分けのラインも綺麗です。
こういった塗り分け塗装の見切りはマスキングテープではなくラインテープを使用してマスキングします。紙のマスキングテープに比べてビニールで伸びるため、角度のキツい曲線部分も綺麗に曲げて貼ることができます。剥がした後の境界もボソボソにならずスパッとくっきりしたラインになってくれます。


塗装が全て完了したので組み上げていきます!


今回かなりの点数を新品部品に交換します。大きなものから小さなものまで。ほとんどがゴム類や小部品なんですが積み重なるとすごいもので、金額は控えますが部品代だけでなかなかの合計額になっています。
当然保険修理ではないのでお客様の実費です。それでもまとめてリフレッシュされるとは車愛を感じます。
冷静に考えて40年以上前の車なのに今だに新品部品のメーカー供給が普通にあるというのがすごいですよね!国産メーカーならとっくに廃番になってますよ。
国産クラシックカー乗りの方は新品部品の入手に苦労されたりすることが多いと思いますが、その点ポルシェは長く維持しやすいかもしれませんね。

業者さんに出していたホイール4本の修理が完了して戻ってきました。
やはりホイール専門なだけあって素晴らしい仕上がりです!

組付け、磨きが終わったので最後にコーティングとストーンガードテープ施工のため業者さんに出します。
戻ってきたらいよいよ完成です。930シブいですね~。
完成です!






















時間とお金はかかりましたが本来の美しさを取り戻すお手伝いができたかなと思います。

