レース仕様のクラシックジュリアの入庫です。
こちらは公道走行不可の完全サーキット専用車。オーナー様はレースが趣味とのことです。かっこいい趣味ですね!

現在フロントフェンダーとリアがワイドボディ化されていますが、このままだとレースのレギュレーションに抵触し出場できないので元に戻してほしいとのことです。
いわゆるナロー化です。

クォーターのワイドボディに合わせてリアドア後方もワイド化されていますが、削ってみると全部パテで作られていました!
1cm以上あります!よく作りましたね~彫刻作品です笑
これはこれでかなり大変だったはずです。

リアドアのアウターパネルはお客様が新品を用意して下さったので交換します!

剥がしたアウターパネルを持ってみるとメッチャ重いです!異常な重さです!
本来アウターのパネルだけなら1kgあるかないか程度だと思いますが、これは持った感じ2~3kgはあります笑
それだけパテが入っているということです。パテは以外と重いものだと分かっていましたが、大量に入るとここまで重くなるのかと実感できました!
普段エアロパーツの修理や加工をする際もパテの入る量には気をつけています。パテが沢山入れば重くなり、エアロが付くバンパーなどに負担がかかるからです。

本来アウターパネルと付いているはずのドア下部は鉄板が腐り、全く付いておらずパカパカの状態でした。
ドアに合わせて切り出した鉄板を溶接して修理します。

ドアの段階で想像はつきましたがクォーターも大量のパテが入っていました。この車の周りだけ雪が降ったみたいにパテ粉で真っ白です💧
鈑金でのメタルワークはそこそこに後はほぼパテで作ってワイド化されていたんですね~。
ドアも含め車体に入っていたパテの量がぐっと減るので今回のナロー化でかなり軽量化になりそうですね笑

鈑金途中です。
ホイールアーチ周りのパネルもお客様が用意した新品に張替えました。
過去の作業で鉄板が伸びきっていたり、溶接されていた部分は硬くなってしまっているので思うように決まらないですが、なるべく自然っぽく見えるように詰めていくしかありません。

パテで形を整えていきます。
パテを研いでいると高い部分の鉄板が出てきてしまうのですが、溶接されていた部分はカッチカチになっているので殺すことができません。サンダーで削って多少ならすことはできますが削りすぎると薄くなってしまうので。
いつもならメタルワークでほぼ形を復元してからパテに移行するのでここまでの事にはならないのですが...過去にヤンチャな作業をされていると後に作業する人が苦労します💧
それっぽく見えるように頑張ります😓

車内側の形が決まったので先にサフェーサーを入れました。

続いてアウター側もサフ入れ。
なんとかワイドから元のボディラインに戻せました。

アウターを張り替えたリアドアもサフ入れ。
新品パネルだったんですがパネルがボコボコだったのでパテは多少入ってしまいました。おそらくリプロパーツなので仕方ないですね。

フロントフェンダーのアーチは耳を曲げてオーバーフェンダー化されていたので曲げ直してプレスラインを復元します。

左右のフロントドア、色の密着が怪しいな~と感じ表面を軽く温めたら、まるでラッピングのように色が剥がれます。
しっかり密着・硬化していればこうはなりません。前回塗装された赤に問題があったようです。
赤や黄色は隠蔽性が悪く塗膜が厚くなりがちですが、乾燥が甘いままクリアで蓋をしてしまったことによる中膿みか足付け不足でしょうか。はたまた前々回に塗装された塗膜の不良かもしれません。

ということで鉄板まですべて剥離してからやり直しました。
最後に塗られた赤も前述のようにベロベロ剥がれ、過去に複数回塗装されていてパテも沢山入っていました。このまま上から塗装するには不安要素が多すぎるので後々のトラブル回避のためです。

途中お客様から追加のオーダーをいただきました。バックパネルがボコボコなのも気になるので新品に交換して下さいとのこと。
サフまで完了!やはり海外製リプロパーツなので凹みや歪みが多数ありパテは必要でした。せっかくの新品パネルなんですが💧

外板の塗装前にトランクルームを塗装。

サイドシルのチッピングコートを吹き直し外板塗装の準備に入ります。

ボディの塗装が完了。

ドア4枚も塗装。

左右フロントドアは乾燥後にサッシをシルバーで塗装。
これにて塗装は全て完了です。

磨きと組みを終えて、

完成です!

Before/After

なかなか大変な作業でしたが、何とかナローボディに戻すことが出来ました!

納車から数か月後、エンジンの修理も済み無事レースに復活しました!とお客様からご報告をいただきました♪
クラッシュに注意しつつ今後もレース楽しんで下さいね~。