春日井市より入庫のVWタイプ1。
久しぶりの初代ビートルです。以前緑のビートルを全塗装して以来です。

全体の写真がありませんがフロントからグシャっと潰れてしまっています。

近年の車であればある程度の衝撃は柔らかいバンパーが潰れてくれたりホースメントが吸収してくれますが、こちらのビートルは旧車なのでフロントの衝撃を吸収できるのは細いバンパーだけです。
しかも今回は当たり所がバンパーよりも上だったので事故の衝撃がモロに車体に伝わったためトランクルームもかなり潰れていました。
画像は潰れたフロント部をオートポールで引っ張って鈑金した後なので形が戻っています。

狭いうえに形が複雑なのでエアツール等は使わず手研ぎで形を再現していきます。

パテ研ぎが終わったらサフェーサーで下地を作ります。

パネルの合わせ目には元々シーラーが打ってありますが事故で潰れた際に裂けてしまっているので打ち直します。
防水処理です。しっかり打っておかないと雨漏りしてしまうので外側からライトを当てたりして光が漏れないかチェックします。

並行して外板の下処理も進めていました。
もちろんサフェーサーを入れる前に部品の仮合わせなどは済ましてあります。塗装したあとに「ボンネットが閉まらない!」なんてことになったら鈑金し直しなので!

トランクルームの塗装は完了です!

こちらは交換する中古のボンネットです!
この型のボンネットは稀少らしく入庫先の車屋さんが探してやっと入手したようです。
全体的に錆びていますがとても綺麗に?錆びています 笑
もともと海外にあったんでしょうか?高温多湿な日本では錆びた箇所はグズグズになって穴が開いてたりしますが、穴開きなども見られません。表面だけが錆びている感じです。

ラットスタイルのビートルならこのまま使えそうですが、そうもいかないので鈑金しつつ旧塗膜は錆もろとも全て研磨します!

研磨が終わったら速やかに金属の表面処理をしてサフェーサーを塗ります。金属の地肌が露出していると目には見えなくても空気に触れて酸化が進んでいきます。

ここまで長かったですがやっと外板の塗装です!

外板の塗装後、剥がれてしまっていたボディと左右フェンダーのチッピングも塗装しなおしました。
表面がブツブツしたクッション性のある塗料です。こちらの車はフェンダーライナーが無いので巻き上げた小石などから塗装を守るためのものです。
多少の吸音性も期待できるので、これがないと小石や砂利が当たるたびパチパチカンカンうるさいと思います。
ちなみに近年の車では防音目的でライナー表面が起毛仕上げになっているものもありますね。

塗装を終えてゴールが見えてきました。組付けと磨きで仕上げです。

完成です!

数ヵ月ほどお預かりしていてオーナーさんは待ち遠しかったと思いますが、綺麗に直りました!
すぐに乗り換えるような車でもないと思いますので長く楽しんでいただきたいですね!