現行クラウン(クロスオーバー)の入庫です。
画像では分かりづらいですがリアドア後部に擦り傷と凹みがあります。
損傷自体は軽いのですが今回はこのボディカラーが問題です。
トヨタのパールホワイトといえば近年までは「ホワイトパールクリスタルシャイン」カラーコード「070」が定番でしたが、このクラウンは「プレシャスホワイトパール」カラーコード「090」という色です。
最近採用され始めた新色のようです。
ウチに入庫されるまでに複数の修理業者に断られ、なんとディーラーにもこの色が原因で入庫を拒否されたそうです。そんな事あるんですね~。
よほど難しい色なのでしょうか?見た感じは普通のパールですが...作業開始です!
損傷も軽度だったので鈑金は割と短時間で完了!
続いてパテの整形。複数のアール、逆アールがあり曖昧で複雑な形状なのでよく確認しながら詰めていきます。
パテが決まったので下地のサフを塗装。
サフの研ぎ、調色(色合わせ)が済んだのでマスキングをして塗装です!
色の配合も特殊な訳でもなかったので普通にボカせるだろうな~と思っていました。この時までは...
カラーベース、パールベースの塗装が終わって仕上げのクリアを塗装する前です。
いやー難しかったです!ベースの白がなかなかボケなくて苦戦しました。
3コートパールというのはその名の通り3層構造の塗装です。
まずはベースの白を塗装し、パールを重ねて最後にクリア塗装の3段階です。
ベースの白が綺麗にボケていないとパールの塗装に移れません。白がボケていないのにパールをかけても境界が分かってしまい、目の肥えている人なら「この辺でボカしたんだな」って感じで分かってしまいます!
今までの070は割と簡単にベースの白をボカせたんですが、この090はなかなかボケなくて当初の予定より範囲が大きくなってしまいました。
とはいえ、なんとか分からないぐらいまでボカせたと思います。プロレベルに目が肥えている人でなければ気にならない程度かと思います。
この色の登場からディーラー内製工場の塗装屋さんも苦労して痛い目を見たのでしょう。難しい色だと分かっているので入庫を断ったのでしょうね。
塗装と磨きが完了。
完成です!
今回は、今回も?難しい色で勉強になりました。今は難しい色ばかりで大変です!
クラウンの他にもEVのミライやランクル300にも090の設定があるようなので、今後は本格的にトヨタのパールホワイトは070に代わり090がスタンダードになっていくのかもしれません。
新型プリウスのパールホワイトは089「プラチナホワイトパールマイカ」という、これもまた新色。定番だった070は過去の色になっていくのでしょうか。
難しくても慣れていくしかありません。回数を重ねてブラッシュアップしていきます!