レクサスESの左側のリヤドアからリヤバンパーにかけての巻き込み事故(自費修理)での修理で入庫しました。
相手はガードレールでしょうか?

ホイールハウス周りの損傷が大きく、鋼板も全体的に伸びているようです。かろうじて穴が開いたりはしてませんがタイヤハウスの所にめり込んで車は止まったんでしょうね。

ホイールハウスの中の鉄板は歪んだり切れたりしています。
リヤフェンダーは交換でもおかしくないとは思いますが交換して何10か所も溶接で熱をかけて錆が発生するデメリットを考えると今回は鈑金で直すことのメリットの方が大きかったので修理する事にしました。

粗出しをしながら鉄板の伸びを直していきます。
同時に面を整えて鈑金していきます。

新品のドア(黒いドアですが新品の状態からこんな色の防錆塗料が塗ってあります)を取り付けて問題がないか確認しながらの作業です。
一概には言えませんが複数枚に損傷が及ぶ場合、全てのパネルを鈑金で修理して再利用するのはお勧めできません。
例えばこの車で説明すると、ドアもリヤフェンダーも鈑金修理した後、何年か後にまた事故を起こしてしまいドア交換だけで済むような修理でも新品のドアとリヤフェンダーの形状が合わなくなったりします。(隙間が出来たり段差が出る等)
今回の場合はリヤドアを修理するよりも交換の方が安く済むという理由もありますが。
リヤフェンダーを交換せずに鈑金修理するメリットは皆さんがご存知のように下取り時の修復歴の問題にも絡んできますが、
費用の面でもトランクやリヤウィンドウ、燃料タンク等を外さなくても良かったりもします。
YKBでは大事なクルマ(ユーザー様)にとってベストとなる様なご提案が出来ると思います。

逆に急いで仕上げる仕事は苦手です 笑

鈑金担当者がキレイに復元してくれたおかげでパテの範囲もすごく小さく収まりました。

いつものように反対(右側)のリヤフェンダーの形状を参考にしながら自然な形状になるように丁寧にパテで整形していきます。
バンパーを仮合わせしてバンパーとの建付けも確認します。
写真には映ってませんがリヤドアが締まってると隠れて見えないリヤフェンダーの中の部分も変形してましたので、その部分も綺麗にプレスラインを出しました。

この時点でリヤドアで隠れてしまうリヤフェンダーの内側とリヤドアの内側は既に塗装済みです。(もちろんクリアーまで塗装済みです)
3コートパールはわずかな塗り方の違いで色にばらつきが出てしまうことがあります。単品部品ごとに塗装して組付けしてみたら色が隣のパネルと違っていたなんて事が無いようにYKBでは手間が余分にかかっても確実な作業を選びます。


新品のドアは先ほど説明した通り黒いので、薄い色は染まるまでに塗装する回数が増えてしまいます、せっかく裏面を仕上げるのなら表面も白色で染めておけば本塗装するときに少しでも厚塗りを避けることが出来ます。色止まりが悪い塗色はなるべく膜厚が厚くならない様に仕上げるかで仕上がりにも影響します。


白色を塗装しだしたところです。まだサフェーサーが透けて見えるのが分かりますね。この後2~3回ほどで色染まりします。

その後パールを3~4回ほど塗装していきます。厚塗りをなるべく避けると言っても、それでも3コートパールや赤い色などは染まるまで途中で止めるわけにはいきません。ですのでそのような場合はクリアーを塗る前に溶剤分を抜くため十分に時間を空けます。
クリアーを塗ったら塗装作業は終了です。
磨き作業の後に分解した部品を元に戻して作業終了です。


あの酷い状態から何もなかった位に綺麗に仕上がりました。
皆さんも左側の巻き込みには気を付けてくださいね。